行動派の立松 和平さんは、日本や海外の各地を旅し、紀行文を書きました。訪れた土地の中で、思いを注いだ場所も少なからずあります。そのひとつが釧路湿原です。
テレビの報道番組に出演していた立松さんは、取材で訪れた釧路湿原の雄大な自然に深く心を惹かれました。環境問題にも関心の深かった立松さんは、その後も幾度となく釧路湿原を訪れ、写真を撮影しました。写真は、宇都宮高等学校在学中に写真部の部長を務めた立松さんにとって、重要な表現活動だったと思われます。
釧路湿原の写真パネルは、福島県南会津町の前沢集落にある「立松和平文庫」の小勝 政一様が所蔵しているものです。写真の1枚1枚に、立松さんの思いがこもった直筆の短文が書かれています。南図書館では平成26年2月から4月までの期間、写真をお借りして展示し、多くの方に鑑賞していただきました。
注意:釧路湿原
北海道釧路平野に位置する日本で最も広い湿原で、湿原の中を釧路川が大きく蛇行しながら流れている。特別天然記念物タンチョウをはじめとする各種希少な動植物の宝庫であるため、1980年にラムサール条約(特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約)登録地に、1987年に釧路湿原国立公園に指定されている。
立松 和平/写真・文
グラフィック社 1989年
「カメラマンになりたかった男」立松 和平が、釧路湿原に生きる動物や植物、そこでくらす人々の営みを余すところなく写した写真と、独特の観察眼で綴ったエッセイで構成されています。写真の1枚1枚につけられた短文を全て読むことができます。すべての生き物に注がれるあたたかなまなざしにあふれ、作家の想像力によって釧路湿原が生き生きと立ち現れてくるようです。
立松 和平/著
講談社 1993年
釧路湿原の春夏秋冬を写真と短文で綴っています。北の大地北海道に、こんなにもさまざまな四季の風景があることに驚かされます。「釧路湿原感情紀行」と題した長文のエッセイも所収されています。
立松 和平/文・写真
河出書房新社 2001年
「春の小川」の童謡に寄せ、長かった冬を抜け出してやってきた釧路湿原の遅い春の息吹を、詩情豊かに描いたエッセイを所収。
立松 和平/著
勉誠出版 2006年
「苦難の釧路農業」「ドサンコ愛すべし」「雌阿寒岳の雪化粧」「生命のゆりかご 釧路湿原」など、釧路湿原の自然やそこに暮らす人たちとの交流などをテーマにした、臨場感あふれる短文エッセイを多数所収しています。
森田 俊隆/写真 立松 和平/序文
毎日新聞社 1984年
釧路湿原国立公園の写真集ですが、「野生と暮らす」と題した立松さんの序文が掲載されています。釧路湿原の住民や生き物が登場人物となる小説のような味わいの文章です。
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